ニュージーランドで英語教育 ほうかごブログ

NZの学校制度(評価体制と授業料について)

NZの義務教育は6歳から16歳まで。学校制度は表のように大きく三つに分かれており、学年は小学校(primary)のYear1(一年生)から、高校最後の学年になるYear13まで通して数えられます。10歳で小学校を卒業する一方で、年齢的には日本の中学高校に当たるsecondaryの前に、intermediateという二年間の教育がなされるところが日本と大きく違うところでしょうか。

 

 

 

各学校はERO(Education Review Office)という政府の機関によって平均して3年ごとにチェックを受け、いい教育がなされているかどうか、また生徒が安全に教育を受けられる環境かどうかが評価されます。この結果はオンラインで公開されており、誰でも見ることができるのが親としてはありがたいですね。ユウが通っている小学校についてのレポートを探してみると、ありました、ありました。PDFで8ページにわたっていて、読んでみると「学習のための設備や教材が豊富で、よく整備されている」「生徒は生徒同士、また教師に対してもいい関係を築いている」といったいいコメントが並んでいて安心しました。

ちなみに、ユウの学校でも韓国系や中国系の子をちらほら見るのですが、このEROのレポートによると全生徒のうちアジア系は4%とのことです。先住民であるマオリ系は9%など、各民族の割合が分かるようになっているのですが、NZの学校ではさまざまな民族出身の生徒が一緒に学ぶのは当たり前になっていて、実際、この国の学校で学んでいる生徒の出身国は164カ国に上ります。そしてクラス内に多様性があるというのはいいことである、という認識が広まっているようです。

NZの公立学校は基本的には無料ですが(残念ながら留学生は除きます)、ほとんどの学校では「寄付」という形で各家庭がある程度の金額を払わなければなりません。この金額は学校によって違うのですが、ユウの行っている学校では年間NZ$150(約1万2千円)でした。年間で考えればそれほど大きくない金額とはいえ、半強制的に払わないといけないお金を「寄付」と呼ぶのはおかしいのではないですか、と教育省の方に聞いてみると、「『義務である寄付』とか呼び名を変えたほうがいいでしょうね」と笑っていました。教育省の方の説明によると、ニュージーランドでは、国が全国共通のカリキュラムを定めていますが、学習領域と達成段階を示すのみで、具体的になにをどのように教えるかは個々の学校に任されているため図書の充実を図るなど各学校の判断によって必要な費用が変わってきます。そのため学校によって「寄付」の金額が変わってくるとのことです。

今回は学校の評価制度と授業料について簡単にご説明しましたが、NZのカリキュラムや、英語を母国語としない生徒向けの英語力の評価基準、NZ独特の高校の学力判定制度であるNCEAなど、また折に触れて説明したいと思います。

Posted on: April 15th, 2013 by Yuko Okumura

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