大きなペンギンさんと一緒に、1m四方はある画用紙も両手に抱えて持って帰ってきました。
南島で見たペンギンさん。夕方近くになり、巣に戻ってきました
図書室に行ったり、先生のiPadを使ったりして調べたそうです。
「ママ、これ見て!自分で作ったんだよ!」と、学校から帰ってきたユウが見せてくれたのは、大きなペンギン。台になっているのは海辺のようですね。ユウによると、ESOLクラスで作ったとのこと。移民や留学生が多いニュージーランドでは、ESOLという英語を母国語としない生徒を対象にした授業が受けられます。ESOLクラスでは工作をすることが多いのですが、今回はペンギンさんを作ってきたようです。
「同じクラスのSunnyはね、トカゲを作ったんだよ。ユウも手伝ってあげた」
とユウ。みんながペンギンを作ったわけではなく、生徒がそれぞれ好きな動物を選んで工作したようです。
ユウが選んだのは、昨年末の南島旅行で見たyellow-eyed penguin。目の周りから後頭部にかけて黄色くなっているのが特徴のこのペンギンは、ニュージーランドの南島に生息していています。生息地では、野生のペンギンたちを刺激しないよう、離れたところにある小屋からそうっと望遠鏡でのぞくのですが、巣の周りをトコトコ歩く様子が観察できました。そのときのことを覚えていたんですね。
学校から持って帰ってきたのは ペンギンの人形だけでなく大きな画用紙も。広げてみると、ペンギンや他の動物の写真とともに”How long do they live?”や、”How many eggs do they live?”といった質問とその答えが並んでいました。
「この質問、自分で考えたの?」
「そうだよ。お人形を作る前に、質問をいっぱい考えるの。それから答えを調べたんだよ。図書室に行って本を借りたりして」
三年生になると調べものもいろいろと自分でできるようですね。でも質問の中には、”What are their predators?”なんてものも。「predatorなんて単語、知ってたの?すごいね」と聞くと、「えへへ、先生が教えてくれたの」と笑っていました。
10個ほど質問が並んでいましたが、”Are they rare?”という質問には”The yellow-eyed penguin is the rarest penguin in the world. There are 1200 to 1500 pairs left.”といったシンプルな答え。でも”What do they look like?”には「オスとメスは同じ色をしていて…」と結構詳細な説明が続いていました。
質問を考えることから始まって、最後にペンギンを作って完成させるまで2ヶ月ほどかけたそうです。自分で調べる動物を決めて、質問も自分で設定してから図書室やインターネットで調べ、写真を集めて画用紙にレイアウト。そしてお人形作り。結構な労作だと思うのですが、単に自分ひとりで作るのではなく、友達同士助け合って作ったそうです。お友達のSunnyがトカゲを調べるのを手伝ってあげたら、「図書室でトカゲの本を探してるのに、Sunnyったら自分の好きなファンタジーの本ばかり見つけてくるんだよ。あははは」ですって。興味を持って調べていく能力だけでなく、お友達を自然と助る習慣が身について、楽しい工作だったね。