ニュージーランドでは、4月25日はアンザックデーと呼ばれます。アンザック(ANZAC)とは第一次世界大戦のときにオーストラリアとニュージーランドが合同で出兵したAustralian and New Zealand Army Corps(オーストラリア・ニュージーランド軍団)の略称で、4月25日は第一次世界大戦中の1915年にアンザックがトルコのガリポリというところに上陸した日にあたります。ガリポリの戦いは日本ではあまり知られていないと思いますが、この作戦を提唱したのは後に英首相となるウィンストン・チャーチル。そしてアンザックを含む連合軍を撃退したトルコ軍の指揮官はムスファタ・ケマル、のちにケマル・アタチュルクと呼ばれ現在のトルコ共和国の建国の父となる人物です。
アンザックデーは祭日となり、全国各地で朝6時の夜明けとともに追悼が行われます。第一次世界大戦当時、NZは大英帝国内の自治領で事実上の独立国でしたが、戦争には大英帝国の一員として参加しました。当時NZの人口は百万強だったのですが、約10万人が兵士や看護婦として海外に派遣されました。実に10人に1人の割合で戦地に赴いたことになります。しかもそのうち死傷者数は6割近くに上りました。アンザックとして戦争に参加したことがいかに大きな影響をNZに与えたか、この数字を見れば分かるかと思います。第一次世界大戦で多大な犠牲を払ったことは、大英帝国の一員として地球の向こう側で戦っていたとはいえ、NZに国としての団結を与えたと言われています。それから100年近くたった今でもアンザックの日に国全体で追悼するのは、犠牲者の数の多さだけに留まらないようです。
オークランド博物館の壁には、すべての戦没者の名前が刻まれています。
戦没者を追悼して、来館者が作った赤いポピーの造花が飾られていました。
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