ニュージーランドで英語教育 ほうかごブログ

小学校で戦争のお勉強

日本はゴールデンウィークですが、ニュージーランドも先日三連休がありました。毎年、4月25日はアンザックデー(ANZAC DAY)と呼ばれ休日になりますが今年は土曜日に当たっていたので月曜日が振り替え休日となったのです。

このアンザックデーの由来については以前書きましたが、今年でちょうど100周年。第一次世界大戦で亡くなった人たちを追悼する式典が各地で行われました。

そういえば最近、タクやユウが「あのね、World War Ⅰって知ってる?」とか「ドイツで悪い人が戦争をはじめちゃって、みんなでやっつけたんでしょ」とかやたらと歴史のことを話すな、と思っていたら、小学校の授業でもアンザックデーにちなんで20世紀前半の歴史を教えていたようです。

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リーディングの授業でも、第一次世界大戦を題材にしたものが使われていました。負傷したニュージーランドの兵士が偶然、同じく負傷した敵のドイツ兵と一緒の塹壕に入ってしまい、そこで助け合うというストーリーが子供たちのお気に入りでした。負傷した兵士を助けるために犬が活躍するのですが、そういうところを子供が喜んだのかもしれませんね。ちなみに、第一世界大戦の悲惨さを描いたレマルクの『西部戦線異状なし』でも塹壕内で敵兵と鉢合せするシーンがありますが、こちらはもっと苦悩に満ちた内容でした。

アンザックデーの前日の金曜日には、子供たちが学校で赤いポピーを模したワッペンを服につけてもらっていました。

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この赤いポピー、アンザックデーのときにはいろんなところで目にするのですが、

「なんで赤いポピーを飾るの?」とユウ聞くと、

「あのね、戦争があったところでね、人が死んでね、そこで一番最初に咲いた花がポピーだったんだよ」と教えてくれました。

調べてみると、第一次世界大戦で激戦が繰り広げられたベルギーのフランダース地方で、兵士たちの墓地で最初に咲いたのが赤いポピーだったことに由来するようです。「In Flanders fields」という詩の中で”In Flanders fields the poppies blow”と詠まれ、戦死者を悼む象徴になったとか。

ライティングの授業では、戦地に赴いている兵士たちを想定して手紙を書いてみましょう、というものもあったそうです。今ニュージーランドではこんなことが起こっていて、みなさんが国に戻ってきたらこんなことが待っていますよ、ということを生徒それぞれが書いたのですが、今のニュージーランドの状況を人に伝える練習にもなったようですね。
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教室の壁にはこんな絵が飾られていました。ユウによるとこれは戦場で、右端の白い十字は兵士のお墓だそうです。「ね、だから赤いポピーが咲いているでしょ」とのこと。
絵には詩が書かれていましたが、「この詩はね、すごく有名なんだよ」とユウが言うので調べてみたら、西部戦線でなくなった兵士たちを悼む「For the Fallen」という詩の一節でした。
They shall grow not old, as we that are left grow old:
Age shall not weary them, nor the years condemn.
At the going down of the sun and in the morning
We will remember them.
と、亡くなった人たちをいつまでも忘れないという気持ちが詠まれています。こういった授業を通じて、戦争の悲惨さを学んでくれたらいいなと思います。

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Posted on: May 2nd, 2015 by Yuko Okumura コメントはありません

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