ベンジャミン・フランクリンと言えば、雷が電気であることを証明するために嵐の中で凧を揚げて研究したり、避雷針を発明したりするエピソードを、子供のころ偉人伝の本や漫画で読まれた方も多いのではないでしょうか。
フランクリンは科学における貢献だけでなく、政治家としての業績も多く、アメリカ合衆国建国の父の一人として今も讃えられています。アメリカ独立戦争中の1776年にはアメリカ独立宣言の起草委員となり、最初に署名した5人の政治家のうちの一人となっています。この5人の中にはのちのアメリカ第3代大統領となるトーマス・ジェファーソンも含まれていますね。
今回ご紹介するのはベンジャミン・フランクリンの生涯を描いた本、“Electric Ben: The Amazing Life and Times of Benjamin Franklin”です。
フランクリンが10歳の時でした。湖で遊んでいるとき、早い風に乗って雲が流れや鳥が舞い上がるのを見てあることを思いつきます。水面に仰向けになって浮かびながら凧を揚げると、強い風にあおられた凧に引っ張られて水面を滑るように進んでいきました。それを見た友達はびっくりして大喝采をあげるのでした。
そんなエピソードから始まるこの本。表紙はちょっとサイケデリックな印象を受けてしまいましたが、アメリカの児童文学賞 The Boston Globe-Horn Book Awardsのノンフィクション賞を2013年に受賞しています。読んだ人からのレビューも好意的なものが多いですね。イラストが豊富で、アメリカでは5~8歳向けとなっているので使われている英語は難しくありません。40ページとページ数も多くなく、見開き2ページごとに話に区切りがつくので読んでいく負担も少ないです。
フランクリンの一生や業績については日本であまり知られていないかもしれませんし、独立戦争のころのアメリカも日本人にとっては関心の薄い分野かもしれませんね。ですが、建国の父というと今でもアメリカでは尊敬を集めるため、ベンジャミンのことを知っておくとためになることが多いのではないでしょうか。
またこの本は副題が”The Amazing Life and Times of Benjamin Franklin”(ベンジャミン・フランクリンのすごい人生と時代)とあるように、イギリスの植民地だったアメリカが独立していく時代についても知識が身に付きます。
フランクリンは印刷業などさまざまなことを手がけましたが、格言を集めた”Poor Richard’s Almanac”というカレンダーも作っています。
“Electric Benjamin”の表紙の裏にもずらっと格言が載っていて、ちょっとピックアップしてみますね。
No gains without pains.
労なくして得るものなし。(gainsとpainsで韻を踏んでいますね。)
Eat to live. And not live to eat.
食べるために生きるのではない。生きるために食べるのだ。
Wink at small faults: Remember thou hast great ones.
小さな過ちにはウィンクしておけばいい。だが大きな過ちは忘れるな。(ここのthou hastは古い英語でyou haveの意味ですね。)
これらの名言を肝に銘じて日々過ごせば偉人になれるのかもしれませんね。
”Electric Benjamin”、お子さんが歴史に興味があれば、親子で読んでみるのもお勧めです。来月4日はアメリカ独立記念日。アメリカ建国の父について知っておくのはいかがでしょうか。
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