オークランドのノースショア地区にある、ビーチからほど近い閑静な住宅街にある小学校を訪ねてきました。
創立1925年、16人から始まったこの小学校も、オークランドの人口増加に比例して現在は在校生1000人近くの大規模校です。
ニュージーランドの学校にはDecile(デサイル)と呼ばれる、各公立校の校区の社会経済的レベルを数字で示したものがあります。公立校の国からの補助金額を決める目安になったりするのですが、数が大きければそれだけ裕福な家庭が多いということ。この学校も一番の上のランクDecile10(デサイル)で、落ち着いた住宅街にある、子供たちが安心して通学できる環境です。
歴史のある学校なだけに、建物も外観は歴史を感じさせるデザインなのですが、実は新しく増築された校舎もオリジナルの建物に合わせてデザインされているそう。建物はすべて明るい黄色と白で統一されていて、校門をくぐった途端ウキウキした気持ちになりました。これは通学する生徒さんにとっても学校に来るのが楽しくなりそうです。
学校を案内してくださったのは、今年の3学期から校長先生になる、現副校長の若い女性の先生でした。案内していただく中、言葉の端々にこの学校への愛着が感じられます。お話をうかがうと、なんとこの学校の卒業生でした! 自分の通った学校の校長先生になるってどんな感じ?と質問すると「素晴らしい気持ちよ! 自分の愛する学校が多くの生徒や家族たちに愛されるのをいつまでも見ていられるって素晴らしいでしょう?」と答えてくださいました。気さくで、ラブリー、そして学校をこれほど愛している校長先生がいる学校って素敵ですよね。
学校内には原生林があります。向こうには海が望める絶景。
緑に囲まれた広々とした敷地の中に立つ8棟の校舎には全部で35の教室の他、アートや演劇・舞踏専用の教室、そして図書館などの共有施設があります。また屋外には3つの目的別にデザインされた遊具エリアの他、温水プールが完備。生徒たちが海で遊ぶ機会が多い学校だからこそ、水難事故防止に力を入れているそうです。
生徒の人数が多くなったため、スクールホールも増築されました。増築されたパートと元のホールの間は開閉式の壁になっていて、用途に合わせて広さを変えることができるようになっています。またキッチンも完備されており、私たちが見学に行ったときには、ちょうど放課後のアクティビティ(日本の学童にあたるもの)のスタッフが参加する生徒たちのおやつを準備していました。
図書館も2015年に改装され、ガラス戸で区切られた講義室、など従来の図書館の枠を超え、多目的で生徒たちが楽しく過ごしながら学べる場所になっています。Learning Hub Libraryと呼ばれています。
レゴが敷き詰められた一画。生徒たちの創造力を育みます。
留学生の受け入れにも積極的で、現在海外から30名の生徒たちが勉強しているそうです。
英語環境へ早く慣れることができるように、留学生は週4日、専用の教室で3名の専任教員によるESOL(English for Speakers of Other Languages)授業を受けるのですが、その授業の質の高さから、全国のESOLのモデル校となっています。
海外から生徒と一緒に来ている保護者へ週一回の無料英会話クラスを開催するなど、家族への配慮もされているそうです。本当に細かいところまで細やかな心遣い。本当に感心してしまいました。
今回案内してくださった副校長の先生も、事務室にいらっしゃるスタッフの方々も、見学先でお会いした先生方も、みんなとてもフレンドリーで学校全体が暖かい雰囲気につつまれています。そしてそういう環境にいるからでしょうか、明るく元気で礼儀正しい生徒さんが多いように感じました。
ぜひお勧めしたい学校です。
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