ロックダウンが続くニュージーランド。コロナウィルスに対して団結して立ち向かい、また子どもたちを楽しませるための取り組みとして先日のブログでも紹介しました が、窓際にテディベアを飾り、みんなで見つけようという運動が国中で広がっています。ロックダウン中でも食料品や医薬品などの買い物のほか健康維持のため近所の散歩は許されており、散歩をする人がテディベアを探して楽しめるようにという取り組みです。単に楽しみを増やすだけでなく、困難に直面している時期に他の人々に手を差し伸べ、地域の結びつきの強め精神的なサポートにもなることを目的としているそうです。
We’re Not Scared – NZ Bear Huntと呼ばれるこの運動は国中で広がりを見せ、ニュージーランド人の3人に一人がテディベアを窓際に飾っていて、5人に一人が散歩中にテディベアハントをしているという報道もありました。NZ Bear Huntのフェイスブックを覗いていただければ盛り上がりが伝わるかと思います。
ほうかごEnglishの先生からも、今日はこんなベアを見つけましたとメールをもらうこともあります。友達に会えず行きたいところにも行けずに退屈している子どもたちや、ロックダウンでいつもとは違う生活を強いられ不安になっている子たちも、散歩中に楽しい気分になれますよね。
窓際だけでなく、郵便受けなどにも。かわいくて、見つけた人は嬉しくなりますね。
運転席に座っている大きなテディベアも。最初見つけたときはちょっとびっくりしました。
ゴミ回収車がボンネットにテディベアを飾って走っているのも見かけました。
このテディベアハントにはアーダーン首相も参加して、自宅の窓際にテディベアを飾っているそうです。アーダーン首相の子供への配慮はこれだけではなく、4月上旬には記者会見で、イースターバニーと歯の妖精も不可欠な仕事です、とユーモア混じりで発表していました。
4月中旬にはキリスト教にまつわる祭日イースターがありましたが、子どもたちにとってイースターの楽しみといえば、イースターエッグハント。もともとはイースターバニーと呼ばれるうさぎがこっそりと置いていった卵を探す、という遊びなのですが、最近は卵形のチョコレートをお家や庭のあちこちに置いて、子どもたちが探していくというのが一般的です。でもイースターバニーもロックダウンで外出できないのであれば、エッグハントもできませんよね。
また、ニュージーランドでは子供の乳歯が抜けたとき、抜けた歯を枕の下に置いておくと歯の妖精(tooth fairy)がやってきてゴールドコイン(1ドルや2ドルの貨幣)と交換してくれる、と言われています。子どもたちにとって、羽が抜けても歯の妖精が外出禁止だったらコインと交換してもらえないわけです。
イースターバニーと歯の妖精も不可欠な仕事です、というのは、そんなふうに心配する子どもたちへのユーモアあふれる気遣いのコメントです。ロックダウン中でも医療関係など不可欠な仕事とみなされるものに関しては家の外で働くことが認められていて、イースターバニーや歯の妖精もそれに含まれているので安心してね、というメッセージですね。
でも、もしかしたらこういう状況だからイースターバニーも忙しくてみんなのおうちにイースターエッグを届けられないかもしれない。そういうときは、イースターエッグの絵を描いてテディベアと一緒に飾って、近所の子どもたちがイースターエッグハントをできるようにしてあげてください、とも首相は付け加えていました。
ロックダウン中はストレスが溜まることも多いでしょうけれど、国のトップを含め、国全体で子どもたちを楽しませようとするのが嬉しく思います。
***
ブログランキングに参加しています。 下のボタンをクリックしていただくとポイントが加算されます。応援クリックよろしくお願いします!