これまで何回か紹介しているThea Stiltonシリーズ。今回は“Thea Stilton and the Chocolate Sabotage”です。チョコレートには目がない子供、多いですよね。この本の中でも、試験勉強中にThea Sistersがチョコの箱を取り出し、「これは明日食べようと思っていたんだけど、私のモットーはNever leave for tomorrow what you can eat today!」と、チョコレートを食べ始めてしまいます。もちろんこれは、Never leave for tomorrow what you can do today.(今日できることを明日に伸ばすな)のもじりですね。今回ご紹介する本はチョコの話が満載です。
ストーリーはというと、Thea Sistersのひとり、ペルー出身のPaulinaは幼馴染がエクアドルでチョコレート工場を経営していると偶然知ります。みんなでその友人を訪ねに行くと、ちょうど国で最高のチョコレートを決めるChocolate Cupが開催されるため、一位を取ろうと頑張っているところでした。ところが突然、工場でのチョコレート製造がうまくいかなくなります。誰かの妨害でしょうか?Thea Sistersが問題解決に乗り出しますが…。
物語の舞台、エクアドルの紹介です。エクアドルは世界有数のカカオの産地ですが、赤道直下に位置し、エクアドルEcuadorという国名はequator(赤道)からきているそうです。独特の生態系が発達したガラパゴス諸島、進化論を唱えたダーウィンが研究に訪れたことでも有名ですが、そのガラパゴス諸島もエクアドル領です。
この本はチョコレートをめぐるお話だけあって、Thea Sistersはチョコの原料となるカカオ園にも案内されます。収穫されたカカオはバナナの葉で覆われた箱に入れて5~7日ほど置いておかれます。そうすると発酵して独特の香りが醸し出されます。そのあと、カカオを乾燥させ、炒ったのちすりつぶしてカカオパウダーにします。そういった説明が物語の中に自然な形で挿入されているので、ストーリーを読み進めていくだけでチョコレートの製造過程を知ることができます。
また、Thea Sistersが訪れた友人は「ビジネスで成功するだけじゃなくて、自然を大切にしてカカオ豆に農薬を使いたくない」と環境に優しい農法を目指しているようで、利益だけを追求している競争相手を”They pay no attention to the earth’s natural cycles.”と批判しています。なんだか環境問題も英語で勉強できそうですね。ちなみに難しめの用語については比較的簡単な英語で注釈がついています。例えばpesticide(殺虫剤)は、Pesticides are chemical substances that are used to eliminate pests that attack crops.それにorganic agriculture(有機農法)は、Organic agriculture means farming that doesn’t use chemicals and pesticides, and that doesn’t damage the soil or the surrounding environment.オーガニックや環境問題に関心のある方はお子さんと一緒にこういう部分でも楽しめるのではないでしょうか。
エクアドルの首都、キトも紹介されています。首都としては、ボリビアの首都ラパスについて世界第二位の高さに位置するそうです。1500年代に建設された歴史ある街で、UNESCOの世界遺産にも指定されているとのこと。
エクアドルのオタバロという町は手作りの工芸品が有名で、土曜には市場が開かれにぎわうそうです。
中南米で古くから家畜として飼われているリャマ。荷物の運搬のほか、毛が衣類に使われているそうです。
と、いろいろとお勉強になるということばかり紹介しましたが基本的に謎解きでストーリーが進むので、ワクワクしながら読み進めることができます。チョコレート好きのお子さんならぜひ!
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