ニュージーランドで英語教育 ほうかごブログ

大人にとっても読みごたえのある児童洋書「Wonder」

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子どもに本を勧めるなら、自分が実際に読んでよかったと思えるものがいい、と考える方は多いのではないでしょうか。でも大人になってから児童書を読んでも、興味が続かないかも…という方におすすめなのが、今回ご紹介する”Wonder”です。

私は知人に勧められて読んだのですが、途中でやめる事ができずに一気に読んでしまいました。知人は小学生の自分の子どもに読み聞かせをしたところ、もっと先を読んで、とせがむぐらいだったそうです。

“Wonder”は生まれつき顔に障害がある10歳の男の子、Augustのお話です。自分の顔がかなり特殊だと知っていてフルフェイスのヘルメットをかぶったりしていたのですが、初めて学校に通うことになります。でも学校では、「病気がうつる」と同級生から避けられたり、いじめを受けたり。それをどう乗り越えていくのか…というストーリー。
ストーリー自体も考えさせる内容になっているのですが、この小説の特徴は語り手が章ごとに変わることではないでしょうか。最初はAugustの視点から語られるのですが、その後、お姉さんや友達、お姉さんのボーイフレンドなどAugustの周りにいる様々な人の視点から描かれていきます。そうすることで物語に深みがでるだけでなく、読み手が共感を覚える部分も増えているのだと思います。
この本にはいじめっ子のJulianが出てくるのですが、”Wonder”が全米でベストセラーになると、「Julianになるな」という運動が起こります。作者は「I always knew that Julian had a story to tell」と、Julianの章も続編で書いています。単純に悪者にするのではなく、一人ひとりが持つ事情、背景を描いているのがこのシリーズの魅力です。

筆者によると、自分の体験がこの小説を書くきっかけになったそうです。ある日、自分の子どもを連れてアイスクリーム屋に行ったときのこと。たまたま顔にかなり特徴のある女の子がとなりにいたのですが、その子を見て自分の3歳の子どもが怖がって泣いてしまいます。その女の子が傷つくことを恐れて、急いで立ち去ろうとしたのですが、あとで後悔します。あの女の子と家族は、毎日、何度も同じようなことに出くわすのでしょう。自分は子どもたちにどう教えれば良かったのだろうか。「じろじろ見ちゃだめ」と言うだけでいいのだろうか。そうではなく、あの女の子に話しかけ、自分の子どもには、何も怖がることはないと教えるべきだった、と。

続編を含めると全世界でシリーズ1200万部を越えるこのベストセラー、日本語訳も出ています。
「Wonder」
「ワンダー」

いじめっ子のJulianほか三人の視点から描かれた続編も日本語訳が出ています。
「Auggie & Me: Three Wonder Stories」
「もうひとつのワンダー」

2017年には映画にもなりましたDVDも出ています

児童書なので英語も平易な表現が使われています。一度親子で読んでみてはいかがでしょうか。

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Posted on: February 3rd, 2019 by Yuko Okumura コメントはありません

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