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「万里の長城」は英語でなんて言う?―Thea Stiltonの「難破船」(後編)

前回途中まで紹介したThea Stiltonシリーズ“Thea Stilton and the Ghost of the Shipwreck” 。この本の後半は、雰囲気ががらりと変わって舞台は中国へと移ります。 北京に招待されたThea Sistersたちは秘宝さがしを手伝うことになるのですが、本の中では中国に関する様々な知識が紹介されています。IMG_0847 中国のことって、日本人だったら結構馴染みのものが多いですが、意外と英語で何というかわからなかったりしませんか? 英語で各国の人たちと話していると、英語圏以外のこともよく話題になりますが、中国のことも英語での言い方を覚えておくと役に立ちますよね。例えば、「万里の長城」はThe Great Wallと呼ばれることが多いです。北京にある紫禁城はThe Forbidden Cityですが、これは皇帝やその家族など限られた人以外は立ち入りを禁じられたことからきているようです。

それと中国の歴史上の人物や王朝の名前もたいてい日本語読みで覚えていると思いますが、英語だと中国語の発音に基づいた表記になるので要注意。例えば毛沢東は通常、Mao Zedongと表記されます。上の写真の北京についての説明でも、”It became the imperial capital during the Mongol Yuan dyansty”という文が出てきていますが、Yuanは「元」のこと。日本史の授業で鎌倉時代にあった元寇を習われた方も多いかと思いますが、あの元朝のことです。モンゴルのジンギスカンの孫が建てた王朝なので、Yuanの前にMongolとつけているんですね。ちなみに現在の中国の通貨も元ですが、英語だとyuanと表記します。

このように中国語の名前を英語にするときは、発音をそのまま表記するか意味をとって訳すかのどちらかが多いですが、ときどきミックスパターンもあります。19世紀にあった太平天国の乱の太平天国は、「太平」の音をとってTaiping、そして天国という意味からHeavenly Kingdom、合わせてTaiping Heavenly Kingdomと表記されます。うーん、難しいですね。

また本の中では、万里の長城は「Qin Shi-huangがさまざまな城壁を一つながりのものにした」と説明してありますが、Qin Shi-huangって??  The first emperor of a unified Chinaと書いてあるので、秦の始皇帝のことだなとわかりますが、Qinは「秦」、Shi-huangは「始皇」の中国語の発音からきているんですね。でもこういった英語と中国語の関係が分からなくても、万里の長城は推定約4000マイルあってアメリカ合衆国の横幅よりも長いとか、1987年にUESCOの世界遺産に登録されたとか、いろいろな雑学が楽しめます。

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こちらは中国語についての説明。ご存知のように中国には数多くの方言がありますが、発音は地方によって大きく違うものの、書き言葉は何世紀にもわたって共通だった、といった説明も。中国語の標準語は英語でMandarin Chineseもしくは単にMandarinと言われます。ちなみに「木」や「火」といった簡単な漢字も紹介されていますが、簡体字なので「門」の文字は日本の漢字とちょっと違いますね。
「中国語にはalphabetは無く、ideogramで書かれる」という説明があって、「ideogram??大人だってわからないんじゃないの?」と思っていたら、続けて”An ideogram is a symbol that represents the idea of the object that it refers to.”と説明がありました。要は、表意文字のことですね。漢字については、「初期の漢字は動物の化石や亀の甲羅に刻まれた」ともありますが、これは甲骨文字のことを言っているんでしょうね。
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そして中国の工芸品。まずは絹です。絹の製法は中国で発明されたとあり、シルクロードにも言及してあります。また、紙が発明されるよりもだいぶ前に絹の布に絵を描くことが始まったそうで、思わず「へぇ~」となりました。lacquer(漆)も紹介してありますが、”with a glossy and smooth finish”(滑らかで光沢のある仕上がり)とか、”Lacquer is resistant to heat, water, and acid.”(漆は熱や水分、酸に強い)といった説明は、日本の漆塗りの工芸品について外国人と話すときにも使えそうですね。

歴史的なものだけでなく、現代の北京も紹介されています。北京のmodern skyscrapersや、2007年に建設された、中国国家大劇院という国立劇場も紹介されています。Thea Sistersの冒険とともに、親子でお勉強するのもいいかもしれませんね。

 

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Posted on: December 9th, 2014 by Yuko Okumura コメントはありません

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